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[写真作家]となると一貫したテーマで作品を発表するというスタンスです。
となると、やはり[写真集][フォトブック]がそのパッケージの第一候補です。
この記事は、[写真集]制作をする上で[海外インスタ]を活用する、というユニークなアイデアを提案してみます。
写真集にはセレクトという編集がある
[写真集]や[フォトブック]を制作してみた人なら分かると思うですが、まずは写真の候補群を集めていく編集作業というものが先頭にあります。- そもそも、あるテーマで撮影をしていた
- 撮り貯めた写真の中から、あるテーマを発掘していく
どちらの入り方であっても、スタートはまず候補となる写真群をおおざっぱにかき集めるということになります。
主観または共同でセレクトする一般的な編集手法
主観でのセレクト
例えば自分自身で、単独でセレクトという編集作業をする場合
主観で切り分けていく、良い意味で『独創的な要素』が盛り込まれます。
ですが、実際にセレクト作業をやってみた人なら分かるのですが、
撮影順序や撮影時の印象、撮影場所へのこだわり、などが入り込んで、意外とにも独創的な配列を選択できない『脳内環境』にあります。
これってつまり、あれこれ考えた末、結局は撮影した順番に並べてしまっているだけ、というオチになるのです(笑)。
この”落とし穴”に結構はまってしまう人は多くて、またそのことにすら”気づけない”こともあるのです。
第三者を使った共同のセレクト
では、第三者にセレクトを手伝ってもらう場合はどうでしょう。この場合よくあるのは、写真スクールや写真サークルの所属していて、その講師の先生に選んでもらうというシチュエーションがあります。つまり、プロの眼で選んでもらうというものです。もちろん、撮影者の意見を取り入れながらのセレクト作業となります。
この場合の長所は、第三者には『撮影順序・状況・思入れ 』などといった写真に付随してしまう情報がないものですから、単純に『写真そのものでき・評価』で選別ができるということです。冷静に判断できる、といった具合でしょうか。
では短所はないのでしょうか。いえ、あります。今度は逆に第三の編集者による主観が入り込んでくるのです。それは、今回の[写真集][フォトブック]に持たせる一貫したテーマとは別ものの、編集者の志向・傾向といった色合いが、様相が、風味が、かもしだされて、入り込んでくるのです。
作者と編集者の一致した点でテーマを築き上げていく、磨き上げていくという点では、作品としての成熟度が向上していくのでとても良い効果があります。
ですが、やはり『二人の世界観』という枠組みからは脱出できないわけです。
[海外インスタ]を活用したセレクトというアイデア
そこで今回は、[海外インスタ]にセレクトさせてみよう、という奇抜なアイデアを提案したいと思います。まずは候補写真群を広く公開・投稿する
初めに今回の[写真集][フォトブック]の対象となる写真群を用意します。そして、1枚1枚を[海外インスタ]に投稿していくのですが、その際に、今回の[写真集][フォトブック]のテーマにあった『タグ付け』をしておきます。
そのタグの数は最大値の30個がよいでしょう。とにかく、多くの人たちに一般公開をしてご意見を頂戴するのです。
”いいね”の数でセレクトを敢行する
他の記事でも書きましたが、[海外インスタ]の参加者は心が広く、間口が広いので、見ず知らずの人から気軽に”いいね”がもらえます。30個もタグ付けをしていれば、2・3個は”いいね”が普通に着いてきます。そこで、この”いいね”の数で写真のセレクトを実行してみるのです。
例えば”いいね”が10個以上ついた写真を第一群としてセレクトしてみてください。そこには、オーディエンスの支持を受けた不動の写真たちが選抜されていることでしょう。
特に支持が多かった、”いいね”の数が多かった写真は、あなたの予想とは違う写真家もしれません。ですが、世の中の人はフォーカスはそこに集中したのです。世間をインスパイアさせる何かがその写真には宿っていたわけですね。
オーディエンスの公開セレクト編集という離れ業
この編集作業の特徴は、作者や編集者の趣味嗜好ではなく、オーディエンスの趣味嗜好でセレクト作業が実施されたことです。そう、AKB48の選抜と同じスタイルです。
実際に制作された[写真集]や[フォトブック]を見る側が、内容を取捨選択しているという、まったく実用的なセレクト作業となっているわけです。
これは作者の一貫したテーマとは離れてしまう行為ではないです。写真一枚一枚がすでにテーマと同行したものであるわけですから、その中の優先順位を『誰のセレクトが優位性を持つのか』という切り口の話になるわけです。
まとめ:何のために[写真集]を制作するのか?
あなたは[写真集]や[フォトブック]を何のために制作しようと思いましたか?撮り貯めた写真をアルバムでまとめるようなもの、ですか?
それとも、 人に配ったり、個展などでフリーマーケットの感覚でテーブルに置くためですか?
もし、[写真集]や[フォトブック]を『販売する目的』で制作するのであれば、ビジネス的なアプローチも必要となるはずです。『売れる数にはこだわらない』とか『実益は考えない』という概念はビジネスではありえませんよね。
[写真集]や[フォトブック]を出すからには『売れてほしい』。これを契機に『名前が知られる』ようになりたい。と思うのが本音である人もいることでしょう。
もしそのような目的意識があるのでしたら、まずは購入者側の意見を取り入れて構成する、というアイデアは理にかなっていると思うのです。人気のある写真がたくさん詰まった[写真集]や[フォトブック]を世に出す。素敵なことだと思いませんか?
今回の[海外インスタ] 活用術はどうでしたか?
ぜひ、参考にしてみてくださいね。